首都のウランバートルから南西に約400キロ。移動式住居の「ゲル」や羊や馬、牛などが放牧される草原や砂利道を車で約8時間走り抜けると、海抜約1600メートルのこぢんまりとした街、ホジルトに到着する。現在、朝青龍が滞在するハラホリンからは約50キロ。家屋が並び、すぐ横には朝青龍が治療を受ける予定の温泉保養施設がある。
ホジルトの温泉は地下約120メートルからくみ上げられ、源泉の温度は57〜62度。主な成分はナトリウム、硫黄、カリウムで、精神面のケアはもちろん、心臓病や肝臓、関節炎、骨折、筋肉疲労にも効果があるという。施設の運営者は「ここで治療した85〜95%の人に症状の改善がみられる」と胸を張る。
治療法は泥療法と半身浴が中心となる。泥療法は、0.001〜0.012ミリのペースト状の泥を患部に塗り、毛布で15〜20分間くるむ。泥は温泉ゆう出地周辺から取ってきたものだ。半身浴は36、37度とややぬるめの温泉につかる。事前に血圧や心音などの検査を受け、その結果から医師が温度やつかる時間を決める。これらの治療法を症状によって1週間から3週間続ける。
この温泉保養地の歴史は古く、1939年のノモンハン事件で負傷したモンゴル軍の兵士が治療を受けるための保養地として国営で設立され、68年に一般開放された。銅山で働く人々のために民営の宿泊施設も作られ、現在は治療する施設が一つ、主に宿泊施設となる建物は二つある。治療に訪れる患者が多く、建物自体も老朽化が目立つようになったため、施設の拡大も計画されている。
朝青龍は昨年、腕を故障した際も、この地で治療に専念した。関係者によると、腰の故障を理由に夏巡業に参加せずに子どもたちとサッカーに興じていたことが発端で今回の問題に発展したが、この時もホジルトで治療を受ける目的で帰国していたという。
年1回の割合で4年間、ウランバートルから保養地に足を運んでいる男性のガルサンジャムツさん(58)は「背中と足が痛く、ここに来た最初の年はつえをつかないと歩けなかったが、泥療法を6回受けてつえなしで歩けるようになった」と効果を強調し、「朝青龍も治療に来ると聞いているが、早く治し、また、頑張ってほしい」とエールを送っていた。
毎日新聞 2007年9月4日いいなぁ。一般人には無縁の世界すよね。